何故、飛ぶの?
   
飛行の原理
   
   
 
 
 鳥は、骨の中にすきまがたくさん空いているので、体重がとても軽いのです。また、空を飛ぶためには、翼を一秒間に何十回も羽ばたかせる強い筋肉が必要なので、鳥は人間に比べると、胸の筋肉の割合がずっと多くなっています。
一方、ワシ、タカなどの大きな鳥は、羽ばたくのではなくて、翼を動かさず、羽を一杯に広げて飛んでいます。このように、翼を大きく広げてすべるように飛びつづけることを滑空といいます。この飛びかたなら、エンジンがなくても、重い人間でも飛ぶことができるのです。グライダーや、ハンググライダー、パラグライダーの飛び方も滑空飛行です。
 
 
 皆さんはタコ上げをやったことがありますか?タコは風がないとうまくあがりませんね。風がない時にいっ一生懸命走って風をおこすのと同じ役目をしているのが、飛行機のエンジンです。タコが人に引っ張られて上がるように、飛行機はエンジンで前に進み、翼で上に浮くのです。(その時の抵抗を抗力とい言い、抗力に打ち勝つエンジンの推進力を推力といい言います。)
 飛行機が浮ぶ秘密は、その翼の形にあります。エンジンの力で飛行機が前に進むと、翼に空気が当たって風の流れが発生します。
 
 空気が翼の上下に分かれて吹き抜けていく時、上の空気は下の空気より遠回りしているのに、翼の後で一緒にゴールします。つまり、上の空気のほうが、下を通る空気より速く流れていきます。この時、翼の上部の気圧が下がり、翼を下から上に押し上げる力が発生します。(これが揚力で、飛行機を空中に浮かすしくみです。これをベルヌーイの法則と言います。)
 揚力は浮ぶ力ですから、機体の重さより強くなければなりません。揚力を出すためには、抗力に負けない推力が必要です。つまり、スピードを出すことにより、重たい飛行機は空中に浮ぶことができるのです。
 
飛び方にもいろいろあるよ
 
 ほとんどの飛ぶものは翼の作る揚力で飛んでいますが、違うものもあります。

 気球は浮力で飛びます。風船は手を離すと空に飛んでいってしまいますね。それと同じに、大きな風船に空気より軽い気体を詰めて浮ぶものをガス気球といいます。一方、ガスの代わりに、プロパンガスで温めた熱い空気を大きな風船に詰めて飛ぶのが熱気球です。暖かい空気は上に行くという性質を利用したのです。寒い冬、家のエアコンの暖房をつけても足元がいつまでも寒いことがありますね。これは暖かい空気がみんな上に行ってしまうからです。 

 では、ロケットはなぜ飛ぶのかな。
 いっぱいにふくらませたゴム風船の口をはなすと、空気を出しながら飛んでいきます。これは空気をふき出した反動による力で、推力といいます。推力は空気がふき出される向きとは反対の方向にはたらきます。ロケットもこれと同じ原理で、燃焼ガスを大量に噴射することによって前に進むのです。
 
 
ホーム>>目次>>戻る>>進む