第1回「様々な飛行機」 〜興味・関心が夢への第一歩!〜
野田フライング倶楽部 齋 藤 正
1.ライト兄弟の動力飛行100周年
別に配付される冊子に詳しく出ていますが、今年はライト兄弟の動力飛行100周年にあたります。フランスのモンゴルフィエ兄弟が気球で飛び、ドイツのオットー・リリエンタールがグライダーで飛び、そういう過程の末にアメリカのライト兄弟がエンジン付きの飛行機で飛んだわけです。
他の乗り物と飛行機が違うところは、実用上の便利さの追求から生まれたものでなく、単に「飛べたらいいなぁ」というあこがれに端を発して発明されていることではないでしょうか。みなさんも「あこがれ」を大切に一度しかない人生を悔いのないように生きていきましょう。
日本の先人たち
浮田幸吉・・・オットーリリエンタールよりも100年も前の江戸時代に滑空飛行に成功しているようです。ようですというのは、記録がはっきりしないのと、鎖国の時代であったために海外の航空先進国に知られなかったということに原因しています。
新田次郎氏に「鳥人伝」という小説があります。
二宮忠八・・・1891年に模型飛行機を動力で飛ばすことに成功。1893年には人を乗せて飛ぶ飛行機の試作許可を陸軍の上役に申し出ていますが、受け入れられなかったようです。その10年後がライト兄弟の初飛行です。陸軍の上役は自分の不明を忠八に詫びたといいます。忠八の玉虫型飛行機の模型は、四国の松山空港に展示されているはずです。
吉村昭氏に「虹の翼」という小説があります。
2.飛行機を描いてみよう
今日は様々な飛行機を見てもらいますが、飛行機と聞いて想像するのはどういう形ですか?パッとイメージした飛行機を絵で描いてみてください。君たちの絵を題材にして、飛行機を見るポイントを勉強してみましょう。
3.飛行機の形 正しい?目のつけどころアレコレ
ア 主翼のつき方
低翼
中翼
上翼
イ エンジンの種類・数・ついている場所
プロペラかジェットか
翼についているもの
機首についているもの
機尾についているもの
ウ 尾翼の枚数・形・ついている場所
4.野田はスポーツ航空先進都市
首都圏に近く、広大な河川敷を持つ野田から世界へ羽ばたこう
5.飛行機の周辺 あれこれ雑学10のお話(ヒマつぶしに読んでネ)
ア 飛行機雲が長く残ると雨が降る
エンジンで燃料が燃えた時に出来るごくごく細かな燃えかすと水蒸気とが作り出す不思議な雲なのです。高い空に飛行機雲を引きながら旅客機が飛んでいくのを見たことがありますね。今度はもう少し注意深く見てみましょう。飛行機雲がすぐに消えてしまう時は晴天が続きますが、飛行機雲が長く残るような時はお天気が崩れます。
飛行機に興味を持ったら気象にも詳しくなりましょう。
イ ジェットとロケットどこが違うの?
ジェット機で宇宙は飛べません。空気がないからです。これに対して、ない空気を作り出したり、化学変化によって気体を生み出したりして噴射し、推力を得ようというのがロケットです。だからロケットの方は空気のない宇宙でも飛べるのですね。
ジェットエンジンはあくまでも空気を取り入れて燃料を燃やすことでタービンを回して推力を作ります。
ウ 単位は地球規模で決まっている
1メートルという長さは1年生でも知っていますね。ではどうやって決まっているのでしょう。
地球をぐるっと一周すると40000キロメートルあります。だから北極から赤道までの距離は10000キロメートル。これを1/10000000(1千万分の1)にした長さを1メートルと言うのだそうです。
1海里という単位も飛行機や船の世界ではよく使います。
今度は、先ほどの北極から赤道までの10000キロメートルを緯度の90度で割り、さらにその1度を1/60にします(緯度の1分という単位になる)。その長さ約1.852キロメートル、これが1海里。ちなみに1時間に1海里進む速さのことを1ノットと言うのです。
60ノットで飛ぶ飛行機は、燃料さえ無限だったら360時間で地球一周することになりますね。
ちなみに、飛行機の世界では、高度はフィート、距離は海里、スピードはノット、視程はキロメートル、気圧を表す水銀柱の高さはインチで言うのが普通みたいです。
エ 西から昇ったお日様が東へ沈む???
地球の自転は24時間で1回転。つまり360度だから、1時間では15度回っていることになる。15度は距離に直すと、15×60×1.852キロメートルで約1667海里になる。もっとも経度の度数は緯度によって距離が違いますから(分かるかなぁ〜?よーく考えてね♪)赤道上空ということにしますが、仮に1667ノットで飛ぶ飛行機が真西に向かっていたとしたら、その飛行機から見たお日様は、ピタリと止まったまま沈みもしなければ昇りもしません。もっとも1667ノットは時速3087キロメートルなので、そんな飛行機ありませんが、普通の旅客機程度のスピードでも高緯度地方を飛ぶと(再び、分かるかなぁ〜?なぜ高緯度か?)お日様が西から昇って東に沈むことだってあり得るのです。
オ 日本は進んでいる! 時差のお話
地球は丸いのですが、便宜上太平洋の真ん中から一日が始まることにしてあります。これを日付変更線と言いますね。なぜ太平洋の真ん中かというと、人があまり住んでいないというのがだまくらかすのに好都合なわけです。日本(東経135度)は太平洋の西のはずれの国ですから、比較的早く一日が始まります。ロンドンは東経も西経も0度、ニューヨークは西経75度にあたります。日本が5月25日の午前11時とすると、ニューヨークは、135+75=210度日本より遅れているわけだから、15度で割って時間に直してみると14時間遅れということになります。ということはまだ5月24日の夜の9時なのですね。
カ 高くて速い飛行機と、低くて遅い飛行機、どっちの方が安全?
パイロットの養成所の方に聞いたお話です。時々訓練生の親御さんが見学にいらっしゃるそうです。その方々の中には、息子や娘が飛行機に乗るのは危ないと考えている方もいらっしゃるのですね。中には教官に「危ないので、なるべく低いところを遅いスピードで飛んで下さい」とお願いする方もいらっしゃるそうです。
説明しても分かってもらえそうもないので、はいはいと話を聞くことにしているそうですが・・・・
もう君たちなら分かりますね。飛行機は、自機の高度の何倍も滑空出来るのです。スピードが遅いと浮かんでいられなくなるのです。「低くて遅い飛行機?そんなもの危険このうえありません!」
でもなかなかシロートの方には分かってもらえないお話ですね。もしかして君たちってクロウトの領域に入っているの!?
キ 難しいのは着陸 ヤバイのは離陸
巡航高度をクルージングしている機体を徐々に高度とスピードを落として、着陸しようとするランウェイの手前6マイルくらいでピタリと指定された速度と高度になるように操る。ここからは機首を上下に動かしてはならない。風に流されそうになる機体をランウェイから外れないように、滑走路番号の上にドンピシャ着陸するようにコントロールホイールとスロットルレバーをこまめに使う。プロのパイロットの方から伺う着陸の話は、聞いていても手に汗を握るようです。
では、離陸は?彼らは口々に言います。飛行機はスピードが出れば飛んでしまうものなんだよ、と。
ところが着陸ではなく、離陸の方にどんなベテランパイロットでも避けることのできない数秒間があるのです。
想像してみましょう。
あなたは旅客機のキャプテンです。離陸の順番を待っている自機にクリアランス(離陸許可)が出ました。
あなたは機体をランウェイの中心に正しく乗せるやいなや、スロットルを全開にしフルパワーをかけます。機体はぐんぐんとスピードがついてきます。隣でコパイ(副操縦士)がV1(離陸決心速度)と言います。ここで減速すれば滑走路の中で機体を停止させられる速度です。離陸をやめる理由は見あたりません、さらに機体は加速します。VR(ローテーション速度)とコパイがコールしました。ゆっくりとコントロールホイールを引いて機体を浮かせます。素早くギアを格納してさらに加速します。コパイがV2(必要上昇角を取りうる速度)をコールしました。このスピードに達したら必要な高度を取るのに最適な揚力を得ることができます。離陸成功です。
んっ?気がつきましたか?V1を超えてV2に達するまでの間は、どんなベテランパイロットの操縦でも最善で飛行場以外の場所に不時着という数秒間なのです。
ク 二人の間にアイがない??
ジャンボのような大きな飛行機になると、客室の座席は横に10席も並んでいます。ABCと順に呼ばれるのですが・・・・新婚旅行のカップルが航空会社に文句を言ったそうです。「新婚旅行なのに彼女がHで、僕がJの座席だ。間に誰を座らせるんだ!!」
ご心配なく。Iは1と間違いやすいので使われていないのです。二人の間に愛はあっても、飛行機の座席にIはないのです。
ケ 刃渡り10センチのフルーツナイフ
嘘かまことか、こんな話を聞いたことがあります。例のテロ事件以来セキュリティチェックは本当に厳しくなっているようですが、これはまだノホホンとしていた時代。スチュワーデスさんが機内のサービスをしながら気がつきました。どこかのお婆ちゃん、持ち込めるはずのないフルーツナイフでリンゴをむいているではありませんか!
そのスチュワーデスさんどきどきする気持ちを抑えながら、
「あのー奥様、おりんごをむいているナイフですが・・・・」
話を全部聞かないうちにお婆ちゃん、スチュワーデスさんに向かって
「あんたも食べるかい?」
・・・・・そうじゃないんだってばぁ!
コ 目玉の「メ」 フォネスティックコードを覚えよう
君たちが野田の地名を地方の友達に教える時にどうするだろうか。「目吹」って言うのはね「目玉の目に、風が吹くっていう字」と教えるでしょう?飛行機の世界でもアルファベットを間違わずに使い分けるために、こんな工夫をしているのですよ。B(ビー)とV(ヴィー)なんか似ていますよね。これをB「ブラボー」、V「ビクター」と読めば間違わないで済むわけです。
A |
アルファ |
B |
ブラボー |
C |
チャーリー |
D |
デルタ |
E |
エコー |
F |
フォックストロット |
G |
ゴルフ |
H |
ホテル |
I |
インディア |
J |
ジュリエット |
K |
キーロ |
L |
リマ |
M |
マイク |
N |
ノーベンバー |
O |
オスカ |
P |
パパ |
Q |
ケベック |
R |
ロミオ |
S |
シエラ |
T |
タンゴ |
U |
ユニフォーム |
V |
ビクター |
W |
ウィスキー |
X |
エクスレイ |
Y |
ヤンキー |
Z |
ズールー |
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